- 手・足の力が入らない
- このような症状はございませんか?
- 手・足の力が入らない原因と病気
- ストレスで一時的に手に力が入らない理由
- 手・足に力が入らない時の検査
- 手・足の力が入らない時の対処法
- 痺れて手・足の力が入らない時は当院まで
- よくある質問
手・足の力が入らない
寝起き、ひどく疲れた時など、「身体に力が入らない」と感じることがあります。こういったケースでは、しっかり睡眠をとったり、疲労を回復させたりすることで、速やかに症状は解消します。
しかし、特に思い当たる原因がないのに手や足に力が入らないといった場合、時間が経っても症状が改善しないといった場合には、何らかの疾患を疑う必要があります。
手に力が入らない状態とは
手のひら、手指、腕などに力が入りにくい状態を指します。
スムーズに動かない、持つ・摘まむといった動作ができないといったことで、日常生活に支障が出ます。しかし、足と比べるとごまかせてしまうことも多く、受診が遅れがちです。
足に力が入らない状態とは
足、足指、ふくらはぎ・太ももなどに力が入りにくい状態を指します。
立つ・座る・歩く等の動きや移動が困難になるため、すぐに不便を感じます。ただ、「歳のせいだ」と考えてしまうケースも少なくありません。特に急に力が入らなくなった場合、注意が必要です。
このような症状は
ございませんか?
以下のような症状がある場合、神経や筋肉、脳に関連する病気が隠れている可能性があります。
該当するものがあれば、早めにご相談ください。

- 片側の手足に突然力が入らなくなった
- 持っているものをよく落とすようになった
- 階段の上り下りがしづらくなり、つまずきやすい
- 箸やペンを使うのが難しくなった
- 足が重く感じ、歩行が不安定になった
- 腕や脚がしびれる感覚を伴う
- 顔の片側が動かしづらい、またはしびれを感じる
- 力が入らない症状が一時的に改善するが再発する
- 疲れると症状が悪化する
- 意識がぼんやりしたり、めまいを伴う
次のような症状が
随伴する場合は、
至急受診をおすすめします
さらに以下のような症状が伴う場合は、緊急を要する可能性があります。
これらの症状が現れた場合、早急に医療機関を受診してください。

- 突然の意識障害(意識がもうろうとする、反応が鈍い)
- 顔の片側が下がる、または話すのが難しくなる(顔面麻痺)
- 片方の手足の麻痺や感覚障害(片側の動きや感覚が完全に失われる)
- 激しい頭痛を伴い、手足の力が入らない症状
- 言葉が出にくくなる、言葉が理解できない(失語症)
- 視力の低下や視野の欠損(片目または両目の視力が急に落ちる)
- 呼吸困難や胸痛を伴う
- 身体の震えや不随意運動が現れる(手や足が震える)
- 突然の吐き気や嘔吐を伴う
- 体のどこかに強い痛みが広がる(背中や胸、首の痛みなど)
手・足の力が入らない原因と病気
手や足に力が入らないという症状は、日常生活に支障をきたす深刻な状態です。この症状は、神経や筋肉、脳などの異常から発生する場合があります。原因となる病気はさまざまですが、早期の診断と治療が重要です。
以下では、手や足の力が入らなくなる可能性のある主な病気とその特徴を詳しく解説します。
脳梗塞
脳の血管が詰まり、血流が途絶えることで脳細胞が損傷を受ける病気です。手足の片側に急に力が入らなくなる症状(片麻痺)が特徴的です。言語障害や顔のゆがみを伴うこともあります。
発症から時間が経つほど治療効果が低下します。「FAST」(顔、腕、スピーチ、時間)の症状を覚えておきましょう。
パーキンソン病
中脳にある神経細胞が変性し、運動の制御が難しくなる病気です。手足が震える(振戦)、筋肉のこわばり、動作が遅くなるなどの症状が現れます。進行性ですが、治療で症状をコントロール可能です。
高齢者に多いですが、若年性パーキンソン病もあります。早期診断が鍵です。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
運動神経が徐々に破壊される進行性の病気です。初期段階では、手や足の力が弱くなる、筋肉がピクピク動く(筋線維束攣縮)などの症状が現れます。
徐々に呼吸機能にも影響するため、専門的な医療支援が必要です。
神経根症
椎間板ヘルニアや骨の変形により脊髄から分岐する神経が圧迫され、手や足に力が入らなくなることがあります。痛みやしびれを伴うことが多いです。
適切な治療で症状を軽減できることが多いです。
ギラン・バレー症候群
免疫の異常により神経が損傷される病気です。手足の力が急に入らなくなり、症状が進行すると呼吸困難を引き起こすこともあります。
急性の病気であり、早期治療が重要です。
多発性硬化症(MS)
中枢神経系(脳や脊髄)に炎症が起き、神経伝達が阻害される病気です。手足の力が入りにくくなる、感覚異常、視力低下などが断続的に現れることがあります。
若年成人に多い病気で、症状の波があります。
重症筋無力症
筋肉と神経をつなぐ部分に異常が生じ、筋肉が弱くなる病気です。疲れやすく、特に手や足の力が入りにくいと感じることが特徴です。
まぶたが下がる(眼瞼下垂)などの症状も見られる場合があります。
末梢神経障害
糖尿病や外傷、ビタミン不足などにより末梢神経が損傷されると、手足の力が弱くなることがあります。感覚の低下やしびれが伴うことが多いです。
原因疾患を治療することで改善する場合があります。
ストレスで一時的に
手に力が入らない理由
日常生活でストレスを感じることは誰にでもありますが、強いストレスが原因で一時的に手に力が入らなくなることがあります。これは、心と体が密接に結びついているために起こる現象です。
ストレスを感じると、体は「戦うか逃げるか」の状態に備えて交感神経が活発になります。このとき、筋肉が一時的に緊張し過ぎたり、逆に筋肉のコントロールが乱れることがあります。さらに、ストレスによる過呼吸や血行不良が筋肉の働きに影響を及ぼし、力が入らない、震える、またはしびれるように感じることがあります。
また、精神的な不安や緊張が強い場合、「心因性の症状」として手足の力が抜けるケースもあります。このような症状は、特にストレスが蓄積しているときや、緊張する場面で現れやすいです。
ストレスによる手の力の抜けは一過性のことが多いですが、繰り返す場合は体のSOSサインかもしれません。大阪府豊中市のもといえ脳神経クリニックでは、ストレスによる症状についてもご相談をお受けしています。
お気軽にご相談ください。
手・足に力が入らない時の検査
神経学的診察
力の入りにくい手足の反射、筋力の異常の有無などを調べます。
頭部MRI検査・頭部MRA検査
MRIでは脳・脊髄・神経の状態を、MRAでは脳・頚部の血管の状態を調べます。
当院では、AIを搭載した最新のMRIを導入しております。
頚椎MRI検査・腰椎MRI検査
椎間板ヘルニアなど、脊髄・神経を圧迫する病気の発見に役立ちます。
頸動脈エコー検査
超音波で頸動脈を観察する検査です。動脈硬化の有無、血流の状態が分かります。
電気生理学的検査
末梢神経・筋肉の異常を調べるため、神経伝導速度、筋電図を確認する検査を行います。
血液検査
糖尿病、甲状腺疾患、ビタミン不足など、内科的な病気・異常がないかを調べます。
手・足の力が入らない時の対処法
手や足に突然力が入らなくなると、日常生活に大きな支障をきたします。この症状にはさまざまな原因が考えられるため、適切な対処が重要です。以下に、具体的な対処法をご紹介します。
安静にする
手足の力が急に入らなくなった場合、まずは無理に動かさず安静にしてください。症状が一時的なものであれば、休むことで改善することがあります。
冷却または温める
症状が炎症や血流の問題に関連している可能性がある場合、患部を冷却または温めることで改善が見られることがあります。ただし、自己判断で行う前に医師に相談するのが理想的です。
応急処置を行う
転倒や怪我が原因で力が入らなくなった場合、患部の圧迫や固定などの応急処置を行いましょう。その後、速やかに医療機関を受診してください。
原因を探る
過労やストレスによる一時的な症状であれば、十分な休息を取ることが有効です。しかし、症状が繰り返す場合や進行する場合には、神経や筋肉の異常が疑われます。
痺れて手・足の力が入らない時は当院まで
手や足の力に力が入りにくいからといって、必ずしも病気が原因になっているとは限りません。健康な人でも、過労、ストレスなどによって一時的に力が入りにくくなることがあります。
ただ、脳梗塞やパーキンソン病、ALSなどの重大な病気が原因になっているケースも確かに存在します。「歳だから」と自己判断せず、お早めに、お気軽に当院にご相談ください。
当院では、しびれ外来を開設し、日本脳神経外科学会・日本脳卒中学会の専門医である院長が丁寧な診療を行っております。
また、無症状であっても脳疾患のリスクが高くなる40歳以上の方には、1~2年に1回の定期的な脳ドックをおすすめします。
よくある質問
スマホが原因で片手に力が入らないことはありますか?
スマートフォンの使用が原因で片手に力が入りにくくなる場合があります。長時間同じ姿勢でスマホを操作すると、手首や指に負担がかかり、腱鞘炎や「スマホ肘」と呼ばれる症状を引き起こすことがあります。また、神経が圧迫されることで力が入りにくくなることもあります。適度に休憩を取り、ストレッチを行うことで予防できますが、症状が改善しない場合は早めに医療機関を受診してください。
手足に力が入らないのは栄養不足も原因ですか?
栄養不足が原因で手足に力が入りにくくなることもあります。特にビタミンB1やB12、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの不足が神経や筋肉に影響を及ぼすことがあります。しかし、これだけでなく、他の病気や神経の問題が原因の可能性もあります。バランスの取れた食事を心掛けることは大切ですが、症状が続く場合は医師に相談し、原因を特定することが重要です。
自律神経が乱れると手足に力が入らないことはありますか?
自律神経の乱れが手足の力に影響を与えることはあります。ストレスや疲労、不規則な生活習慣が自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張や血流の悪化を引き起こすことで、力が入りにくいと感じることがあります。ただし、他の神経疾患や循環器系の問題が隠れている場合もあるため、症状が続く場合は専門医を受診し、適切な診断を受けることをお勧めします。
椅子に座ると足が痺れて力が入らくなるのはなぜですか?
座っていると足が痺れて力が入らなくなるのは、体重や姿勢によって神経や血管が圧迫され、一時的に血流や神経伝達が妨げられるためです。いわゆる「正座の痺れ」もこの一例です。通常は体勢を変えると改善しますが、頻繁に起こる場合や長時間続く場合は、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などの疾患が原因の可能性がありますので、医療機関での診察をお勧めします。
寝起きに手に力が入らないことがあるのはなぜですか?
寝起きに手に力が入らない原因として、血流の一時的な滞りや神経の圧迫が考えられます。例えば、寝ている間に手を体の下に敷いてしまうことで、神経や血管が圧迫されることがあります。この場合、多くは時間が経つと改善します。 しかし、頻繁に起こる場合や、しびれや痛みを伴う場合は、他の病気が隠れている可能性があります。こうした症状が続く場合は、医師に相談し、必要な検査を受けることをお勧めします。