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言葉が出てこない

頭で分かっていても
言葉が出てこない

頭で分かっていても言葉が出てこない私たちは普段、頭で思ったことを瞬時に言葉(声)として発することができます。考える時間が必要な場合もありますが、「今考えている」と声に出すことはできますね。
頭で分かっているのに言葉が出てこない、声自体は出るが呂律が回っていないといった場合には、脳卒中や脳腫瘍、認知症、失語症などの病気を疑う必要があります。場合によっては緊急治療が必要になることもあるため、気づいた時にはできるだけ早く、当院にご相談ください。

このような方は
すぐに受診してください

「言葉が出てこない」症状が以下のような場合、早急に医療機関を受診してください。
これらは重大な疾患が隠れている可能性があります。

  • 突然、言葉が出てこなくなった場合(例:会話中に急に話せなくなる、単語が全く思い浮かばない)
  • 体の片側に麻痺やしびれを伴う場合(例:手足が動かしにくい、片側の感覚が鈍い)
  • 視覚や聴覚に異常がある場合(例:視界がぼやける、片目だけ見えにくい、耳鳴りが強い)
  • 激しい頭痛やめまいを伴う場合(例:今まで経験したことのない強い頭痛、立っていられないめまい)
  • 意識がもうろうとしている、または意識を失った場合(例:呼びかけに反応しにくい、一時的に意識がなくなる)
  • 症状が徐々に悪化している場合

言葉が出ない?喋り方が
おかしい?症状の分類

言葉が出ない、言葉に詰まる「失語症」

大脳の言語領域が傷ついたことで、「話す」「聞く」「読む」「書く」といった言語にかかわる能力が低下した状態です。具体的な症状としては、物・人の名前が出てこない、覚えられない、言葉を理解できない、読み書きができないといったものが挙げられます。
主な原因には、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、外傷などがあります。

喋り方がおかしい、ろれつが回らない「構音障害」

構音障害では、口・唇・舌・咽頭・口蓋といった発生にかかわる器官の異常、およびそれらの器官の動きを司る小脳や大脳基底核の異常によって、喋り方がおかしい・ろれつが回らないといった症状が見られます。
主な原因には、パーキンソン病、筋ジストロフィー、多発性筋炎、小脳障害、進行性球麻痺、筋萎縮性側索硬化症、延髄空洞症、延髄腫瘍などがあります。

言葉が出てこない原因と病気

脳の病気

脳卒中(脳梗塞・脳出血)

脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳の一部が障害される病気です。言語を司る脳の領域が影響を受けると、言葉がうまく出てこないことがあります。特に失語症という言語障害が見られ、言葉を理解したり話したりすることが困難になることがあります。脳梗塞や脳出血が疑われる場合は、早急な対応が求められます。

詳しくはこちら

認知症(アルツハイマー病)

アルツハイマー病などの認知症は、脳細胞が変性していく疾患で、進行に伴い記憶力や言語能力が低下します。言葉が出にくくなる、言いたいことが思い出せないといった症状が見られ、病気が進行するにつれて、さらに言葉の障害が悪化することがあります。早期診断と介入が重要です。

脳腫瘍

脳に腫瘍ができることにより、言語を担当する領域が圧迫されると、言葉が出にくくなることがあります。腫瘍の位置や大きさによって症状が異なりますが、言葉がうまく発音できなくなる、会話がうまくできなくなるといった問題が発生することがあります。脳腫瘍の早期発見が重要です。

外傷性脳損傷(頭部外傷)

事故や外的衝撃によって脳に損傷が加わると、言語機能に影響を与えることがあります。特に、言葉を作り出すための脳の領域(言語野)に損傷を受けると、言語障害が生じます。頭部外傷後の症状が続く場合、リハビリテーションや専門的な治療が必要です。

神経の病気

パーキンソン病

パーキンソン病は、神経系に影響を与える疾患で、運動機能に障害を来たします。病気が進行すると、声がかすれたり、言葉が出にくくなることがあります。特に「話すのが遅くなる」「言葉が小さくなる」「発音が不明瞭になる」といった症状が見られることがあり、これをパーキンソン症候群の一部として認識しています。薬物療法やリハビリテーションが効果的です。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

ALSは、運動神経が障害され、筋肉の萎縮を引き起こす神経系の疾患です。進行するにつれて、手足の筋力が低下し、言葉を発するために必要な筋肉の働きも弱くなります。そのため、発声が困難になり、言葉が出にくくなることがあります。ALSは進行が早いため、早期に治療を開始し、症状の管理を行うことが大切です。

多発性硬化症

多発性硬化症は、中枢神経系(脳や脊髄)の神経線維を覆っている髄鞘が損傷し、神経信号の伝達が乱れる病気です。この病気では、筋力や運動機能の障害が現れることがあり、言葉を発するための筋肉や神経にも影響を与えます。その結果、発音が不明瞭になったり、言葉が出にくくなることがあります。

ギラン・バレー症候群

ギラン・バレー症候群は、免疫系の異常により神経が攻撃され、急激に筋肉の力が低下する病気です。初期症状としては、四肢の筋力低下が現れることが多いですが、進行すると呼吸筋や言葉を発するための筋肉にも影響を及ぼすことがあります。治療によって回復する場合もありますが、早期の治療が重要です。

耳鼻咽喉の病気

耳鼻咽喉科の病気も、言葉がうまく出てこない原因となることがあります。例えば、喉の炎症や声帯の障害があると、声が出にくくなることがあります。また、難聴や耳の病気も、言葉の理解や発音に影響を与える場合があります。耳鼻咽喉科での診察により、治療が可能な場合もあります。

ストレスや精神的な病気

ストレスや精神的な病気が原因で言葉が出にくくなることもあります。例えば、うつ病や不安障害では、集中力や思考力が低下し、言葉が思い浮かばないことがあります。また、強いストレスや疲労も一時的に言語機能に影響を及ぼすことがあります。このような症状が続く場合は、精神的なケアが必要です。

20~30代で言葉が出てこなくなる「若年性健忘症」

20~30代で言葉が出てこなくなる「若年性健忘症」20~30代の比較的若い人で言葉が出にくい場合には、記憶障害の1つである「若年性健忘症」が疑われます。
人や物の名前が出てこない・覚えられない・約束ができないといった症状によって、日常生活に支障をきたします。“若い”ということで「ヤル気がないだけ」「物覚えが悪いだけ」といったように片付けられがちです。
主な原因としては、ストレス、頭部外傷などがあります。脳の訓練などによって改善が可能ですので、気になる方は一度ご相談ください。

言葉が出てこない時の検査

日常生活で「言葉が出てこない」「話したいのに言葉が思い浮かばない」といった症状がある場合、それが一時的なものなのか、脳の機能に関連した問題なのかを確認することが大切です。
当院では、これらの症状に対する検査を通じて、原因を詳しく調べ、適切な治療やサポートにつなげます。

問診と簡易評価

医師が患者さまの症状や背景を丁寧に伺い、言葉が出にくくなる状況や頻度、他の症状(物忘れ、集中力低下など)を確認します。また、簡単な質問や言語テストを通じて脳機能を評価します。

神経心理検査

記憶力や注意力、言語能力をより詳しく調べるための検査を行います。これにより、脳のどの部分に問題が生じている可能性があるのかを特定します。

画像診断(MRI)

脳の状態を直接確認するため、MRI検査を実施します。これにより、脳梗塞や萎縮、血管の異常など、言葉に関する機能低下を引き起こしている可能性のある要因を探ります。

脳ドック(オプション)

当院では詳細な脳の健康状態を確認するための脳ドックも行っています。
症状の有無に関わらず、脳の健康を総合的にチェックすることで、将来のリスクを未然に防ぐことが可能です。

言葉が出てこない時の
脳トレーニング

言葉がパッと出てこない状態を改善するための脳トレーニングとして、言語能力や記憶力、注意力を高める簡単なエクササイズをご紹介します。

カテゴリーゲーム

「果物」「動物」「乗り物」など、カテゴリーを1つ決め、短時間でできるだけ多くの単語を挙げます。

効果

言葉を引き出すスピードや記憶力を鍛えます。

アルファベットしりとり

特定のアルファベットで始まる単語を順に挙げます。例えば、「Aから始まる果物」「Bから始まる動物」など。

効果

言葉を関連付けて記憶から引き出す訓練になります。

ストーリー作り

3つのランダムな単語(例: 猫、船、山)を使って短いストーリーを作ります。

効果

記憶と創造力、言語能力を高めます。

音読や早口言葉

新聞記事や詩を音読したり、「赤巻紙青巻紙黄巻紙」のような早口言葉を繰り返します。

効果

発声練習とともに、言語のリズム感や発語の滑らかさを向上させます。

ペア単語探し

「朝→夜」「上→下」など、反対の意味の言葉を次々に挙げます。

効果

語彙の引き出しを広げ、反応速度を鍛えます。

記憶力トレーニング

数字や短い文章を声に出して覚えた後、時間を置いてから再現します。

効果

短期記憶の保持力と再現力を向上させます。

言葉が出てこない、
言葉に詰まる時は当院まで

言葉が出てこない、言葉に詰まる時は当院まで言葉が出てこない、言葉に詰まるといった症状は、脳からの大切なサインかもしれません。
当院では、脳卒中をはじめ、頭痛や認知症など、あらゆる脳の悩みに真摯に向き合い、専門医による丁寧な診察と、MRIや脳ドックなど充実した設備を活用して原因を詳しく調べます。
私たちは、あなたの脳の健康を守る“脳のホームドクター”として、小さな不調から大きな心配まで、お一人おひとりに寄り添い続けます。言葉に関するお悩みや不安があるときは、どうぞお気軽にご相談ください。

よくある質問

脳トレをしても言葉が出てこない場合はどうすればいいですか?

脳トレーニングが改善につながらない場合、言葉に関わる脳機能そのものに問題がある可能性があります。
その際はMRIなどの画像診断を行い、原因を特定することが重要です。病気の進行を防ぐため、早期の検査を受けることをお勧めします。

朝だけ言葉が出にくいのはなぜでしょう?

朝起きた直後は、脳の血流や酸素供給が十分でない場合があります。ただし、これが頻繁に起こる場合や、徐々に悪化していく場合は脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)の兆候の可能性もあります。早めに医療機関を受診してください。

「言葉が出てこない」症状が起きやすい時間帯はありますか?

言葉が出にくい症状は、疲労やストレスが溜まりやすい夕方や夜間、集中力が低下する時間帯に起こることが多いとされています。また、朝起きた直後や、血糖値が下がる食事前後に症状が現れることもあります。こうしたタイミングに症状が現れる場合、生活習慣や体調の管理が重要です。

「言葉が出てこない」症状が寒い日に悪化するのはなぜですか?

寒い環境では血流が悪くなるため、脳への酸素供給が一時的に低下し、言葉を司る機能が鈍くなることがあります。また、寒さによる緊張やストレスが症状を悪化させることもあります。暖かい環境を整えることや、血行を促進する運動が予防につながります。

子どもが言葉を詰まらせることがありますが、病気の可能性がありますか?

子どもの言葉が詰まる原因には、発達の過程で起こる「吃音(きつおん)」や、一時的なストレス、または脳に関連した疾患が含まれる可能性があります。一時的なものであれば心配ありませんが、長期間続く場合や頻度が増す場合は、言語発達専門医の診察をおすすめします。

手術後に「言葉が出てこない」症状が起きることはありますか?

手術後に麻酔や手術の影響で一時的に言葉が出にくくなることがあります。特に、脳や神経に関わる手術を受けた場合、言語機能に影響が出る可能性があります。このような場合、リハビリテーションによる回復が期待されますが、症状が改善しない場合は再診が必要です。